たまの宝箱

たまたまの出会いを宝に変えてきた「たま」が、自分の好きをご紹介

【絵本】『きょだいなきょだいな』

 子供は正直です。

話がつまらない時、大人のようおとなしく座ったまま、聞いているふりをしてウンウンとうなずいてくれることはしてくれません。


 小学校での絵本の読み聞かせボランティア活動。机を後ろに下げ、体育座りで目を輝かせて待ってくれている子供たち。その笑顔を励みに、絵本持参で教室へ毎週のように通いました。


 例えば『きょだいなきょだいな』。f:id:miyukirun211:20201230233230j:image

「みんなおはよう!今日の絵本は『きょだいなきょだいな』です」、と本屋さんでも図書室でも見かける、普通の絵本を取り出しタイトルを紹介。


 「でもみんな元気なあいさつだから、今日は特別に!ジャジャーン!ビッグブックで読んじゃいます!」と取り出すのは、車で図書館からわざわざ借りてきた大型絵本版の『きょだいなきょだいな』。

 

まさしく『きょだいなきょだいな』で、子供たちから歓声が沸き起こります。事前に担任の先生にお願いして、教壇の後ろに子どもたちから見えないように隠しておいたのです。


 「Moment of Truth」という言葉があります。「真実の瞬間」。自分が本当に好きで、心からそれを伝えたい。自分の好きなものをあなたと共有したい、と言う想いが伝わる時、空気が変わり、一体感が生まれ、まさに「真実の瞬間」が訪れます。


 普段車に乗らない私でも、子供たちの笑顔のためなら大型絵本を貸してくれる遠くの図書館まで車で行き、普通サイズの絵本とサプライズ用の大型絵本を借り、毎週1時間目の前の朝一番の時間に通いました。


 時間とお金と手間をかけ、絵本の読み聞かせボランティア活動を続けてこれたのは、この何とも言えない高揚感、お金では得られない感動、子どもたちの嘘偽りのないウワーッという歓声を味わえたからこそだと思います。


 どんな時に相手の心は動くのか。

そんなことを気づかせていただいた絵本の読み聞かせ。一番楽しんでいたのは私です。