たまの宝箱

たまたまの出会いを宝に変えてきた「たま」が、自分の好きをご紹介

汗は最高の美容液

「現状維持は緩やかな下降線」

この言葉がきっかけで、走り始めたマラソン。近くの池の周りを走っていると、地元のランニングチームに誘われて加入。


それまで一人で気ままに走っていた私。週に一度、仲間たちと走る合同練習が楽しくてたまりません。一週間の自主練の成果の披露の場。練習場所に集まると、早く走りたくてうずうずしていました。


ところが開始時間には集まるものの、なかなか走り始めません。ストレッチをして体をほぐし、走り始めるまでに30分以上。やきもきします。「サッサと走ろうよ!」部活の後輩にだったらとっくに言っていた言葉を、なんとか飲み込みます。


走り終わってからもストレッチや柔軟、アイシングなどを延々と。なかなかロッカーには戻らず、ましてやご褒美スイーツなど冗談でも口にする人はいません。今まで知ることのなかった世界を垣間見て、衝撃を受けました。


見えないところに、いかに時間と手間暇をかけるか。


一見安いランニングシューズ。中に敷いているのは高価なオーダーメイドの中敷き。走行時間や走行距離の記録からは決して読み取れない、ストレッチや体のメンテナンスにかけている、たっぷりの時間とケアグッズ。


速く走ることしか念頭になく、シューズを履いて走る練習に、全ての時間を投入していた私。見えないところにこんなにもランニングの練習の時間を費やすなんて、思いもよりませんでした。


優先順位が変わりました。今までと同じ生活習慣を送っていたのでは、走る時間と身体のケアの時間とを捻出できません。5キロ走るには30分。10キロ走るには1時間。20キロには2時間の時間が必要。


走る時間と同じだけ、準備運動とストレッチなどの体のケアの時間も必要。自然と時間管理にも気を配り、睡眠時間の確保の大切さも実感しました。


私より年上の方でも、ずっとずっと見た目が若い方たちばかり。チークを塗らなくても、自然に赤らむ頬の色の美しさに吸い込まれます。スッキリと伸びた背筋からは、年齢を全く感じさせません。


こんな風に歳を重ねていきたいと思える方々に囲まれて、私は幸せです。歳を重ねた今が過去最高の自分、と胸を張って言える喜び。


「汗が最高の美容液よ!」と言って笑う先輩方。いつまでもその後ろ姿を追いかけていたくて、今日も見えない所のメンテナンスと睡眠に時間をかけます。