津南ウルトラマラソン
「考えるということは、実は体を動かすこと」そんな言葉を思い出した津南ウルトラマラソン。
2019年9月。新潟県津南市で行われた64キロのウルトラマラソン。累積標高日本一の難コースに初挑戦。。9時にスタートして、ゴールしたのは日も暮れたあとの18時過ぎ。
走り始めた時、私は何か殻を破ろうともがいていました。何から出たいのか、何の縛りから解放されたいのかも分からないまま、肉体を痛めつけるかのように走り続けました。
私が欲しかったのは強さでした。
一人でもやっていける、という心の強さ。
こんなに苦しいことができたんだったら、どんなことでも乗り越えられるよ、という自信。
日が暮れると心細くなります。リュックから出したヘッドライトを頭につけ、暗い夜道を前へ前へとと進みます。リタイヤする中継地点でさえ遠く離れていてたどり着けません。
ヘッドライトに照らされて、スタートしてから9時間後、抱きかかえられるようにゴールした時のことは忘れられません。
64キロ、累計標高1848mのあんな怖いレースに飛び込んでゴールができたのだったら、他のことなど大したことないように思えてきました。
身体の危険にさらされるリスクはありません。せいぜい笑われるだけ。でも誰に?自分のドリームキラーはいつだって自分。私は何を怖がってきたのだろう。しかも失うものもありません。挑戦するのみです。
「こっちは大丈夫だよ」と、声をかけてくれる仲間もたくさんいます。自分がこれから決断しようとしていることが、正しいのか間違っているのかさえもわかりません。
でも「自分が何か間違ったことをした可能性があった時に元に戻ることができるのも体力です。」とありました。戻れる体力には自信があります。
失敗さえも話のネタ。
そんな気持ちでブレインロック、外していきます。