【本】深夜特急
沢木耕太郎さんが好きです。
深夜特急で私たちを魅力し、スマホもガラケーもない時代にバックパック一つで、香港からロンドンまで海外を旅する姿に魅了されました。
2020年3月、登山に人生を捧げた登山家夫婦を描いた名作『凍』がJ-WAVE開局30周年を記念してラジオドラマ化されました。その時のインタビューで、沢木耕太郎さんが語っていた言葉。
ランニング中だったのでざっくりですが、1年半たった今でも心に残っているエピソードがあります。
「ボクは旅先でよく地元の方に
話しかけるんですよ。」
「駅はどっちですか?」
「ここへ行くのはどう行けばいいんですか?」
スマホもガラケーもない時代にバックパック一つで、香港からロンドンまで海外を旅したバックパッカーのレジェンドが、自分で調べて目的地まで行けないはずはありません。
それでもなおかつ、話しかけ、現地の方々との交流を持つことを大切にしているのは、検索では出てこない体験ができることを知っているから。
検索上位には出てこないけれど、
地元の方々に長く愛されているお店。
人気スポットではないけれど、
知る人ぞ知る街並み。
「誰と一緒に時間を過ごすのか」
一緒にいる人を厳選し、
バックパックの中身を厳選し。
最後に残るのは、
いくら増えても重くならない
言葉の力かもしれません。
私の知識の足りなさを補ってくれる
笑顔の力かもしれません。
写真は先日訪れた
姫路城の最上階の掲示。
ただでさえ「〜べからず」系の標識が多い日本で、コロナを機に一層増えた「〜してください」の掲示。
あまりにも注意が多すぎて
耳を素通りし、
目も字面を追わなくなってしまっている昨今の状態。
国宝白鷺城の名にふさわしい、
国宝級の注意書きに一本取られました。