たまの宝箱

たまたまの出会いを宝に変えてきた「たま」が、自分の好きをご紹介

【本】『地理女子が教えるご当地グルメの地政学』

 旅行が好き、食べるのが好き。

旅に出る前には、訪れる先のご当地グルメを調べるだけではなく、その食べ物がどうしてその土地の名物となったのか、背景や歴史も調べるのも好き。そんな私が頼りにしている本は『地理女子が教えるご当地グルメの地理学』(尾形希莉子・長谷川直子著 ベレ出版)。


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 旅先でご当地グルメを食べ、地元スーパーを覗き、珍しい食材を買って帰ります。

 「その料理がなぜその土地に生まれ、今でもなおその製法と味が受け継がれているのか

それを知って食べるのと食べないのとでは、おいしさが全く違う、と思うのです。

 

日本は南北に細長いので、同じ国土でも北と南では気候も生えている植物も全く違います。また険しい山や海などに隔てられていると、交流がそれほどできない地域もあります。そのため隣り合ってはいても、食文化もそれぞれの地域で多種多様です。

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 例えば私の出身の長野県の名物は角寒天。両親も長野出身で、私も弟も長野で生まれました。ハンバーグのつなぎにしたり、ちぎってサラダにトッピングだけではなく、オレンジジュースやフルーツ缶のシロップで戻しておやつに食べたり、など角寒天が乾物として常備してありました。結婚して他の地域では寒天は棒よりも粉を使うことを知り驚きました。

 長野ではあの角寒天が、300年も昔から天然のフリーズドライ製法で作られています。内陸性盆地気候を利用して、機械を使わずに乾燥させている、天然の角寒天。蕎麦やワサビ。おやき、鯉こく、干し柿など、信州には美味しいものがたくさんありますが、どの産物も気候や地形と密接な結びつきがあります。

 

 のど飴の売れ行きも、気候によって異なるということも、この本で初めて知った知識。乾燥している気候の関東が、一番のど飴の売り上げが高いそう。逆に、湿度が高い北海道、北陸、四国、九州ののど飴の売り上げは低いそうです。

 

 旅に行く前に、その土地にどのような料理があって、それはなぜその場所で作られたのか、そしてその料理ができた背景を考えながら食べたい時に、頼りになる一冊です。