【本】金子みすゞ 「私と小鳥とすずと」
話すのが苦手。
書くのは好きだけれど、発話は苦手。
雑談ならいいけれど、ストップウォッチを持って制限時間が決められると、途端に頭が真っ白。冷や汗の記憶しかないから、よけい逃げ回ってきたスピーチ。
そんな苦手なスピーチイベントに、朝5時からオンラインで参加。あらかじめお題となる名詞か動詞を一つ紙に書き、次にスピーチする相手に提示。スピーカーはそのお題を元に8分間の即興スピーチ。
私は話すことは苦手だと思い込み、ずっと逃げ回ってきたけれど、今日の私以外3人の方のスピーチを聞いて思ったことは、話し方に正解はない、という当たり前のこと。
立て板に水の、大勢の人の心を揺さぶるスピーチが求められているのではなく、大切なのは、そのことについて自分の言葉で語ること。
いきなり提示された言葉について、自分がどう感じ、どう向き合い、今までどんな経験をしてきて、どのように思ったのか。
テストの模範解答を聞きたいのでも 、TEDばりのスピーチを聞くために、早朝集まってきたわけでもありません。聞きたいのはその人の想い。
私はこれまで、自分の話し言葉と書き言葉のギャップが大きいと思ってきたけれど、スピーチを聞いていて思ったのは、やはり話し方にも書き手の人格が表れるということ。
「みんなちがってみんないい」
いやいや、それはわかっちゃいるけれど。
なんどこの詩を耳にしても、それはそれ。人が違っているのは許せても、自分ができないのは許せない。私なんか、と自分にダメ出しをして、できない自分を責め、苦手意識ばっかり募らせていたこれまで。
三者三様のこれまでの生き方やスタイルを反映した語り口に包まれ、やっと、自分は自分でいいんだ、自分の話し方でいいんだ。間違ってるか間違ってないかという価値基準は手放そう、と思うことができました。
「好きなものが薄まってしまうよ。
悪いことなんかじゃないんだよ」
「私たちの変化を邪魔しているのは自分、
他人なんかじゃないんだよ」
自分の限られたお金や時間の中での自分内競争で負けてしまったものを手放します。そのぶん自分の好きなこと、得意なことに、時間とお金を投資していきます。
「これまでの自分史上最高の自分」を目指して。